カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

最近面白いと思った小説は、ノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」です。 この小説は、映画化され、日本でもテレビドラマとなった、カズオ・イシグロの代表作のひとつとなっています。この小説では、ある寮が舞台となっています。この寮では、少年少女たちが、共同生活を送っているのですが、この少年少女たちの置かれた境遇が分かってくるにつれて、読者はきっと驚かされることになるのではないでしょうか。 実はこの少年少女たちは、科学技術によってうまれたクローン人間なのです。そしてさらに読者の関心をひき... Read More

堀江貴文著 「ゼロ」

この本は堀江貴文さんがどのような幼少期を過ごし、社長になり、逮捕され、そして今に至るのか。堀江貴文さんが自らを赤裸々に語った一冊です。 特に印象深かったのはコモンセンスとコモンローの違いについて、堀江貴文さんの意見をまとめている所でした。他書でも堀江貴文さんは「コモンセンス」について疑う目を養えと言っています。 コモンセンスとは共通認識であり、曖昧な常識であると本書にはあります。対してコモンローと言うのは、社会全体のルールとのこと。 例えば「ネクタイを締めないといけない」というのは、当時ライブドアの社長で... Read More

ぼくたちは習慣で、できている。

人生においての習慣の大切さについてまとめられた本です。誰もが良い習慣を身につけることは大事だと感じています。しかしながら、なかなか上手くいきません。本書では、なぜ習慣化が難しいのか科学的なデータを元に解説し、さらに具体的に習慣化するための方法を多く載せています。習慣化できないことはその人の問題ではなく、科学的な理由があるという根底の知識を得た上で、実際にどう行動すれば良いかを提案してくれます。 この本にはたくさんの方法が載せられています。ただ全て実行するというわけではなく、自分自身にあったものを少しずつ取... Read More

くだらなさの突き抜けているエピソードが最高に面白い「美女と野球(リリー・フランキー)」

俳優として活躍されているリリー・フランキーさんが書かれたエッセイ集を読みました。美女と野球を愛してやまないリリー・フランキーさんの日々のできごとが面白おかしく書かれた本で、読み始めて気がついたら一気に最後まで読みきってしまっていました。 「タキシードを着て視界をした話」「宴会場でのバンド演奏をしながら全国を回った話」「レコード会社を作ったときの話」など、どれも面白い話ばかり。下ネタ系のくだらない話も多いのですが、どれもリリーさんならではの観点があり、「そこにこだわるのか!」「たしかに言われてみればそう思う... Read More

喧嘩両成敗の誕生

喧嘩両成敗の誕生は講談社選書メチエより出版されている、室町~戦国末期に至るまでの紛争の解決方法の変遷についてを一般向けに解説した書籍です。 室町時代は今でこそ呉座勇一氏『応仁の乱』をきっかけにそれなりに一般の興味を得るに至っていますが、本書はその室町一般本のある種の先駆けとも言うべき代物になっています。 大前提として、現在我々が当たり前と考える社会通念と室町時代の人々が当たり前と考える社会通念は全くの別物であり、それであるが故に冒頭から示される、現代人からするとあまりにも衝撃的に過ぎる事案によって、否応な... Read More

『私の男』桜庭一樹

浅野忠信・二階堂ふみダブル主演の映画化で話題となった作品の原作。 津波で家族を失った「花」と彼女を育てる「淳悟」の禁断の愛の物語です。 物語は、花の結婚と、淳悟の失踪に花が気づくシーンから、津波で行き場を失った子供時代の花と海上保安官の淳悟の出会いまで、”逆方向”に進んでいきます。 封印された二人の関係や、秘められた情事。歯止めの利かない想いを隠すために冒した罪。不安感に満ちた人生の中で、孤独な二人がお互いを呼びあい、求め合う物語です。 小さかった花が成長し、淳悟を「私の男」だと言えるまでに熟成した二人の... Read More

面白いほどよくわかる孫氏の兵法

学校では教えない教科書、面白いほどよくわかるというシリーズの一つです。 孫氏という名前は多少でも歴史に興味のある方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 2500年ほど前に書かれた世界最古の兵法書と言われているこの書は本来であるならば戦争に勝つ為の方法をまとめた書になるのですが、この本では孫氏の兵法やこの理論を使った為に勝利を掴むことの出来た、もしくは正反対のことをしてしまった為に敗北してしまったという実話を例としてビジネスなどへ転用できる可能性について解説しています。 他の兵法などと比べると一... Read More

『台湾の「いいもの」を持ち帰る』でディープな台湾旅を

最近、日本人の海外旅行先ランキングで1位に輝く事が多い台湾。 最近は、旅行雑誌以外でも「an・an」等の一般ファッション雑誌でも特集が組まれる事が多くなり毎月大体どこかの雑誌に台湾旅行の記事が載っています。 けれども、数回同じ場所に旅行に行った事のある人・同じ地域のガイドッブックを買ったことがある人ならわかると思いますが…通り取り上げられているのは毎回見たことのある観光スポットや飲食店、お土産ばかり。 (あ、見たことない写真…)と思って手に取っても『支店』だったなんて事も。 そんな中、ヘビー台湾旅行者の方... Read More

傘をもたない蟻たちは

短編集である「傘をもたない蟻たちは」は、人間の欲望を着色せず醜いまま表現されている数少ない作品です。 最初の「染色」は両腕にカラースプレーを吹き付けて手に馴染ませるという不思議な習慣のある女子大生がとにかく魅力的です。主人公の青年は彼女がいながら、その不思議な女子大生に惹かれて体の関係を持ってしまうようなどうしようもない男です。正直、最後まで読み終わっても主人公は好きになれません。でもそれがこの物語のいいところです。他の小説のように綺麗で「いい人」な主人公ではなく、その辺にいる度胸はないが、理想は高く、自... Read More

歴史に忠実な痛快小説「天平グレート・ジャーニー 平群広成の数奇な冒険」

上野誠著の時代小説「天平グレート・ジャーニー 平群広成の数奇な冒険」は、やや今ひとつなタイトル名とは全然違い、空前絶後、のめり込むこと必至の冒険サバイバル物語になっています。  舞台は奈良時代、遣唐使に派遣される朝廷の役人たちの苦心惨憺たる様子を活写した物語です。主人公は当時の朝廷ではまあ中間管理職ともいえる、中級役人の平群広成。エリートである遣唐使の一員に選ばれ、いろいろと多難の末に唐の玄宗皇帝に拝謁します。  そこまではよかったものの、帰路は文字通り波瀾万丈、命がけの冒険となります。海上が荒れ仲間とは... Read More