アメトークの読書芸人でも紹介された小説

私が今回紹介する小説は、河出文庫から出ている中村文則さんのデビュー小説「銃」です。 アメトークの読書芸人で中村文則さんの小説を取り上げていたことから、中村文則さんの作品が気になり、この小説を購入しました。 主人公の青年が河原で銃を拾い、その銃に魅了され、生活を銃に支配されていく話です。最後に人に向かって銃を撃つシーンは衝撃的で記憶に残りました。 この青年は銃を拾った日から、生活/気持ちの根源が銃からもたらせることを感じています。 ある時から銃で人を撃ってみたいという衝動を止められず、ある女性を殺そうと計画... Read More

『はたらく細胞』という本が地味に勉強になる

『はたらく細胞』という清水茜氏が描く講談社の漫画にハマりました。 なんだか生物教科書に出てくるようなタイトルですが、まさにそんな感じでした。 細胞を擬人化してそれを漫画仕立てにして面白く読ませてくれます。絵も今流行の萌え系の絵というのではなくて、きれいな感じの絵です。 白血球と赤血球の個体を中心に、体の中でそれぞれの役割を持っている細胞の日常を擬人化して置き換える事で、すっと体の中の細胞の仕事が頭の中に入ってきます。 細胞に性格付けをしてあるので、例えば自分の体の中にもこの漫画みたいなキャラクターが居てき... Read More

謎解きはディナーのあとで

「謎解きはディナーのあとで」は作家、東川篤哉による推理小説です。 世界にその名を轟かせる大富豪の一人娘であり、その身分を隠して国立警察署で働く宝生麗子と、麗子の下で働く執事、影山、そして麗子の上司、国立警察署の警部であり、風祭モータースの御曹司である風祭京一郎の3人が主なメンバーです。 推理小説だけあって、ミステリーは非常に本格的なのですが、群を抜いて間抜けな推理を披露する風祭警部、その風祭警部に振り回されながらも風祭警部と実はよく似た推理を展開する麗子、そして何より、その麗子の間抜けな推理を聞きながら、... Read More

古本の高価買取のためには

私は今までに2回ほどブックオフで古本の買取を利用した経験があります。一度目は東京のブックオフ中野早稲田通り店です。 東京から大阪へと引越しをする際にいらない古本と漫画を持って行きました。 数が200冊ほどで多かったのですが自宅出張サービスは来てくれるまでに数日みなければならず引越しの日程的に無理があったので店頭に持ち込みました。 あきらかに大量の本を持ち込んできた私に対して店員は少し面倒くさそうな態度でした。 日曜日の昼間でしたのでお客さんも多く、買取待ちの人も3人いたため40分ほど待たされました。 待っ... Read More

はちはやふる

この漫画はアニメ化、実写映画化と若い世代に人気があります。 百人一首の競技かるたが大好きな綾瀬千早が主人公です。 千早は高校生になって、かるた部をつくります。 幼馴染の真島太一をはじめ、個性豊かな同級生たちとかるたの団体戦の為に練習をします。 百人一首は以前から知っていましたが、この漫画を読むまで競技かるたを知りませんでした。 読み進めると、競技かるたの魅力に引き込まれます。 競技かるたにかける千早たちの情熱が読者にまで伝わってきて、感動します。 競技かるたは、上の句を読まれてからすぐに下の句を読み取り、... Read More

キャラクターが可愛い『鬼灯の冷徹』

『鬼灯の冷徹』は少し変わった題名で目をひきました。作者いわく、「イワンの馬鹿」のようなイメージでつけた題名だそうです。つまり、鬼灯が人名で、冷徹はその性格です。 鬼灯は、日本の地獄の鬼です。悪いことをした亡者たちを裁き、呵責するのが仕事です。そう考えるとなんだかおどろおどろしいですが、ギャグ漫画です。冷徹で仕事熱心で仕事のできる男である鬼灯と、ほのぼのした閻魔様、可愛らしい小鬼、おとぎ話の登場人物などが繰り広げるコメディです。 漫画の舞台になっているのは、仏教書などに描かれる日本の伝統的な地獄です。作者は... Read More

「夢を売る男」読んでみて

主人公は出版会社の編集部長です。 新聞などで~賞に選ばれれば本を出版するという建前上はそういう仕事をしているように見せかけて、本当はそういう~賞というのを選ぶのではなくてその新聞を見て応募してきた中から適当に作品を選んでその応募者に電話をかけ、~賞には選ばれませんでしたけど、あなたの書いた小説には本を作って出版するだけの価値があると、相手の心理を読みながら相手をその気にさせて口説き落としていくという内容でした。 何故口説き落とさなければならないかというと、本を出版するには~賞に選ばれてなければ全額出版会社... Read More

ペンギン大量発生!?「ペンギン・ハイウェイ」

「ペンギン・ハイウェイ」は「夜は短し歩けよ乙女」で2007年の山本周五郎賞を受賞した森見登美彦さんの作品です。この作品自体は2010年の日本SF大賞を受賞しています。それでわかって頂けると思いますがこれはSF作品です。 物語の主人公は小学4年生とは思えない大人びた語り口のアオヤマ君です。5月のある日、彼の住んでいる街にペンギンが大量発生し、アオヤマ君が友達と一緒にペンギン発生の謎に迫っていくという話です。 ペンギンがメインの謎の小説なんて聞いたことないですよ。仰々しく書いてみましたが森見さんの作品の多くは... Read More

東野圭吾の「手紙」は救いのなさが魅力

友人が東野圭吾の小説のファンで数冊貸してくれたのがきっかけで「手紙」に出会いました。彼の文章は情景がありありと目に浮かんで臨場感が半端ないです。 登場人物の会話も心情表現が巧みで引き込まれます。 結構な分厚い本なのですが一気に読みきってしまいました。 印象的だったのは読み終わった後のやるせなさ、救いのなさです。 作品全体が終始一貫して暗いトーンで、主人公は幸せを掴みかけるたびに失います。 原因はいつも刑務所にいる兄からの桜の検閲印がある手紙です。 人生の節目節目でその手紙が届き、その都度掴みかけた大きなチ... Read More