キャラクターが可愛い『鬼灯の冷徹』

『鬼灯の冷徹』は少し変わった題名で目をひきました。作者いわく、「イワンの馬鹿」のようなイメージでつけた題名だそうです。つまり、鬼灯が人名で、冷徹はその性格です。 鬼灯は、日本の地獄の鬼です。悪いことをした亡者たちを裁き、呵責するのが仕事です。そう考えるとなんだかおどろおどろしいですが、ギャグ漫画です。冷徹で仕事熱心で仕事のできる男である鬼灯と、ほのぼのした閻魔様、可愛らしい小鬼、おとぎ話の登場人物などが繰り広げるコメディです。 漫画の舞台になっているのは、仏教書などに描かれる日本の伝統的な地獄です。作者は... Read More

「夢を売る男」読んでみて

主人公は出版会社の編集部長です。 新聞などで~賞に選ばれれば本を出版するという建前上はそういう仕事をしているように見せかけて、本当はそういう~賞というのを選ぶのではなくてその新聞を見て応募してきた中から適当に作品を選んでその応募者に電話をかけ、~賞には選ばれませんでしたけど、あなたの書いた小説には本を作って出版するだけの価値があると、相手の心理を読みながら相手をその気にさせて口説き落としていくという内容でした。 何故口説き落とさなければならないかというと、本を出版するには~賞に選ばれてなければ全額出版会社... Read More

ペンギン大量発生!?「ペンギン・ハイウェイ」

「ペンギン・ハイウェイ」は「夜は短し歩けよ乙女」で2007年の山本周五郎賞を受賞した森見登美彦さんの作品です。この作品自体は2010年の日本SF大賞を受賞しています。それでわかって頂けると思いますがこれはSF作品です。 物語の主人公は小学4年生とは思えない大人びた語り口のアオヤマ君です。5月のある日、彼の住んでいる街にペンギンが大量発生し、アオヤマ君が友達と一緒にペンギン発生の謎に迫っていくという話です。 ペンギンがメインの謎の小説なんて聞いたことないですよ。仰々しく書いてみましたが森見さんの作品の多くは... Read More

東野圭吾の「手紙」は救いのなさが魅力

友人が東野圭吾の小説のファンで数冊貸してくれたのがきっかけで「手紙」に出会いました。彼の文章は情景がありありと目に浮かんで臨場感が半端ないです。 登場人物の会話も心情表現が巧みで引き込まれます。 結構な分厚い本なのですが一気に読みきってしまいました。 印象的だったのは読み終わった後のやるせなさ、救いのなさです。 作品全体が終始一貫して暗いトーンで、主人公は幸せを掴みかけるたびに失います。 原因はいつも刑務所にいる兄からの桜の検閲印がある手紙です。 人生の節目節目でその手紙が届き、その都度掴みかけた大きなチ... Read More