謎解きはディナーのあとで

謎解きはディナーのあとで」は作家、東川篤哉による推理小説です。

世界にその名を轟かせる大富豪の一人娘であり、その身分を隠して国立警察署で働く宝生麗子と、麗子の下で働く執事、影山、そして麗子の上司、国立警察署の警部であり、風祭モータースの御曹司である風祭京一郎の3人が主なメンバーです。

推理小説だけあって、ミステリーは非常に本格的なのですが、群を抜いて間抜けな推理を披露する風祭警部、その風祭警部に振り回されながらも風祭警部と実はよく似た推理を展開する麗子、そして何より、その麗子の間抜けな推理を聞きながら、「お嬢様はアホでいらっしゃいますか」などの毒を吐き、そして聞いただけで殺人事件の謎を解いてしまう影山のトリオが最高におもしろいです。

影山が雇い主である麗子に毒を吐くタイミングもストーリーによって異なるため、いつ頃麗子を馬鹿にした発言をするか、ということの予測がつきません。

そのため非常に愉快なストーリーの展開になります。更に事件現場では、思ったことを考えもせずに口に出す風祭警部に振り回される麗子の心の声が非常にリアルに描かれており、臨場感があります。そして自分に仕えるはずの執事に毒を吐かれた後の麗子の心情も非常に現実的な表現で描かれているため、次々に読めてしまう小説です。

また、この話ではお嬢様である麗子と執事である影山の距離が縮まり、ロマンチックな展開になりそうな個所がありますが、この二人は決して恋人同士にはなりません。そこがまた、味を出しているのかと思います。少女漫画のようにやたら二人がくっついてしまうのではなく、二人がくっつきそうだけれども、実際はお嬢様と雇われ執事という立場が変化しないため、余計に面白味が増すのかもしれません。

cegla-design