トラウマを経験したい物好きは、「忌談」を読んでください。

怖い小説はたくさんあります。

ホラー小説好きなら、角川ホラー文庫から出版されている本を読んだ経験があると思います。その角川ホラー文庫から「忌談」シリーズが出版されています。

著者は、ホラー好きならご存知の方が多いと思いますが、福澤徹三さんです。

この「忌談」に収録されている話は、どれも異常を呈しています。ただ心霊体験談を載せているだけではありません。

普通に生活していては遭うことはないだろうと思われる怖い人間による恐怖体験も載せてあるのです。

しかし、よくよく考えてみると、「忌談」に収録されている話を絶対に体験しないというのは、思い込みのような気がします。

この本に書かれている、外国での黒い噂や都市伝説を完全に否定できるでしょうか。

また、自宅に泥棒が入ってこないという確証はあるでしょうか。

プロのレベルに達している泥棒もたくさんいます。

もし、寝ているときに泥棒に侵入されて、目が覚めた自分と泥棒の目が合ってしまう。そして、泥棒はゆっくりと近付いてきて、自分の首にナイフを押し当て……。

そんなことが絶対に起きないと言えるでしょうか。

この「忌談」を読むと、そうした考えや想像が、自然と膨らんでいきます。

そして、寝る前に何度も戸締りの確認をしないと、安心することができないという心理状態になります。

福澤徹三さんは、そんな本の著者ですが、こういった心理には陥らないのか、と思ってしまいます。よっぽど強靭な心の持ち主かもしれませんが、たいていの読者は、「忌談」を読むことによって、しばらくの間、恐怖に耐えて生活しなければなりません。

身がすくみあがるという強烈な恐怖であありません。ぞわぞわとした不安感に襲われ続けるのです。

勇気のある方、そして、ホラー好きなら、一度は読んでみてください。

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