カズオ・イシグロ「わたしを離さないで」

最近面白いと思った小説は、ノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」です。

この小説は、映画化され、日本でもテレビドラマとなった、カズオ・イシグロの代表作のひとつとなっています。この小説では、ある寮が舞台となっています。この寮では、少年少女たちが、共同生活を送っているのですが、この少年少女たちの置かれた境遇が分かってくるにつれて、読者はきっと驚かされることになるのではないでしょうか。

実はこの少年少女たちは、科学技術によってうまれたクローン人間なのです。そしてさらに読者の関心をひきつけるであろう点が、このクローン人間である少年少女たち が、臓器を提供するために生きているということです。

少年少女たちの生涯は、臓器を提供し終わるまでです。そのため、少年少女たちは臓器をひとつひとつ失っていくという、いたましい物語となっています。ただ、少年少女たちはクローン人間でありながら、恋愛や友情といった感情を持っているのです。カズオ・イシグロは、クローン人間という非常に現代的な問題と、人間的な感情という複雑なテーマを組み合わせることによって、読者に考えさせる小説に仕立て上げています。

cegla-design